「2010年1月1日の地価公示」(→「公示地価」)によると、09年中の地価変動率はマイナスであり、その水準は全国、大都市圏ともに前年を上回った。「2010年7月1日の都道府県地価調査」(→「基準地価格」)による1年間の地価変動率もマイナスではあったが、全国、大都市圏ともに前年のマイナス値は縮小した。特に下落率が大きかった3大都市圏の商業地の下落率は8.2%から4.2%に、住宅地の下落率も5.6%から2.9%に縮小した。ただし、地方圏については商業地が4.8%の下落、住宅地が3.6%の下落であり、前年とほとんど同じで回復の兆しはない。 最近の地価の動向を国土交通省の「主要都市の高度利用地地価動向報告書」によって見ると、大都市圏、地方圏ともに09年において四半期0%から3%下落といった地点が過半であったが、10年になると大都市圏では横ばいの地点が増加し、第3四半期では40%を超えた。地方圏では横ばい地点が増加しているものの、第3四半期でも0%から3%下落といった地点が7割近くある。全体として回復の兆しがあるものの、地方圏を中心にまだ低迷していると言える。