東京外郭環状道路(外環道)は、都心から約15キロメートルの圏域を、東京都大田区から埼玉県を経て千葉県市川市まで環状に連絡する延長約85キロの高速道路で、首都高速中央環状線と首都圏中央連絡自動車道(圏央道)の間に位置する。この道路は、湾岸線、第三京浜、東名高速、中央道、関越道、東北道、常磐道、京葉道路、東関東道と接続し、都心方向に集中する交通を分散させることを目的に、各都県が1960年代に相次いで都市計画決定した。現在開通しているのは、関越道と連結する大泉ジャンクション(JCT)から三郷南インターチェンジ(IC)までの区間約34キロで、川口JCTで東北道に、三郷JCTで常磐道と接続している。建設中の三郷南ICから高谷JCT間は埼玉県三郷市から千葉県松戸市、市川市などを通る総延長約15.5キロの区間で、2018年6月に開通の予定。開通すれば高谷JCTから東京都練馬区の大泉JCTまでのおよそ50キロが繋がることになり、外環道の6割近くが完成する。
全面開通に時間がかかっているのは、建設予定地の多くが人口密集地を通ることから、環境破壊を懸念して土地の明け渡しに反対する人が多く、用地取得や工事が難航しているためである。東京区間は地元の反対で都市計画決定から約30年間事業が凍結していたが、関越道から中央道を経て東名高速までの約16.2キロについては、07年4月に、当初の高架方式から40メートル以上の大深度地下にシールドトンネルを通す計画に変更された。また、東名高速から湾岸線までの約20キロについては、予定路線に位置付けられている。