大量の再生可能エネルギーの導入にあたり、地域的な電力と熱のネットワークを用いてエネルギーの有効利用を目指す概念。スマートグリッドが電力の有効利用を考えているのに対し、スマートエネルギーネットワークは、地域的な電力と熱の総合的な有効利用を考えているのが特徴である。熱は、最終エネルギー消費において約半分を占めるものの、輸送によるロスが大きいエネルギー媒体であり、電力と違って長距離の輸送には向かない。そこで、高効率なコージェネレーションやヒートポンプを高い稼働率で運用するため、近隣建物内間における熱融通を推進することにより、さらなる省エネの実現や二酸化炭素排出量の削減が期待される。太陽光発電などの分散型電源や需要家をつなぐ地域的な電力ネットワークに、コージェネレーション、清掃工場などからの廃熱や、大気熱、河川水などの未利用エネルギーを組み合わせた熱供給ネットワークを融合するとともに、大規模電力ネットワークと協調しつつ先進的ネットワーク技術を組み合わせて需給バランスを保つことにより、エネルギー供給の効率化や新エネルギーの有効利用を促進することができる。