非在来型天然ガスの一つであり、石炭の生成に伴って発生したメタンを主成分とするガスが石炭層中に吸着し、貯留したもの。アメリカやオーストラリア、中国などの石炭の豊富な資源国を中心に開発が進められた。特にアメリカでは、R&D支援や優遇税制が行われ、それらが1980年代後半の活発な開発につながった。当時、在来型天然ガスの生産が横ばいであったのに対し、同じ非在来型天然ガスのタイトサンドガスに次いで、炭層ガスはアメリカの新たな資源として注目され、90年代後半から徐々にシェアを伸ばした。しかし「シェールガス革命」に伴うシェールガスの供給量急増により、2008年にはシェールガスにシェアを抜かれ、炭層ガスのシェア自体はアメリカのガス総供給量の10%以下の水準である。日本でも、北海道の石狩炭田などにおいて埋蔵が見込まれている。また、日本企業がインドネシアやオーストラリアなどで炭層ガスの権益を取得し、開発を行う例も見られる。