非在来型天然ガスの一つであり、在来型天然ガスの貯留槽が砂岩であるのに対し、シェール(頁岩[けつがん])に貯留するガスをさす。シェールは、泥土が水平に堆積(たいせき)して固まった薄く板状に割れやすい泥岩で、ガスはその割れ目などに含まれる。従来の技術では経済的な採掘が不可能であったが、水平掘削、水圧破砕といった掘削技術の進歩や、北米における在来型天然ガス産出量の減少、ガス価格の高騰などを背景に、シェールガスの開発が一気に進んだ。シェールガスの供給量は、2006年にはアメリカのガス総供給量の5%程度であったのが、5年後の11年には34%まで急激に増え、さらに2040年には50%近く占めると予測されている。このようなアメリカの供給構造の急激な変化は「シェールガス革命」と呼ばれている。供給量の急増は、天然ガス市場価格(ヘンリーハブ価格)の低下をもたらし、その結果、より高値で取引されるアジア市場への液化天然ガス(LNG)輸出が企図されるようになっている。また近年は、同様の手法でシェールオイルの開発も進んでいる。