オーバーストアや人口減少、人口高齢化を背景に、来店距離が短くなり、1店舗あたりの商圏が狭くなっていること。今日の小売業は小商圏対応として、店舗の小型化が趨勢になっている。チェーン小売業各社は、高齢者層の増加、人口の都心回帰や単身世帯の増加という人口構造変化に対応することで、小商圏対応の小型店舗出店シフト化の傾向がみられる。大手小売業の取り組みを見ると、セブン&アイ・ホールディングスは、郊外型大型店舗の業績低迷の打開策の一つとして、都心型小型食品スーパーの出店戦略の展開を図っている。イオンも、2006年から首都圏の住宅街などでコンビニエンスストアとほぼ同規模の小型食品スーパー「まいばすけっと」を、12年8月末現在で148店舗展開している。地方では、前橋市に本拠をおくベイシアが、人口集積した小商圏を対象とした単独出店で、地方中心都市でのシェア拡大を目指す。主力大型店舗に比較して売場面積を3分の1程度とし、食料品に限定している。