憲法は、院内の秩序をみだした議員を懲罰により出席議員の3分の2以上の多数で除名することができると定めている。しかし汚職や選挙違反、政治資金関係の違反等は「院内の秩序をみだしたとき」には該当しないとされているから、これらの行為を行った議員は、刑事裁判で有罪判決により被選挙権を失い退職者となる場合のほか、議員身分を奪うことができないと考えられている。このため不祥事により国民の批判を招いた議員を議院から追放するために、本人に対して辞職するように勧告する議員辞職勧告決議が議決されることがある。最も多く使われるのは、野党が与党の議員のスキャンダルの追及のために決議案を提出するケースであるが、与党は採決に付さず未了で廃案とする場合が多い。本会議で採決されたのは、国会になってからは5例あり、うち4例が可決されたが、法的拘束力がないためいずれも本人が辞職を拒否した。