日本の選挙で最近とくに問題とされているのは、当選者中の女性の少なさである。ここ10年来の動向についてみると、1998年参議院選挙では、当選者中の女性議員は20人で、非改選の女性議員と合わせて43人となり、参議院議員中で過去最高の17.1%を占め、2000年総選挙では、前回総選挙での23人を12人上回る35人の女性議員(衆議院議員中の7.3%)が登場した。しかし、その後の衆参両議院選挙で女性議員数は伸び悩み、女性当選者数は、03年衆議院選で34人(全議員中の7.1%)、01年参議院選で18人(改選議員中の14.9%)へと下降し、04年参議院選挙での女性当選者は15人(改選議員中の12.4%)にとどまり、全参議院議員中の女性議員の比率も、13.6%に下がった。この中で、05年総選挙では、自由民主党が積極的に女性候補を立てたこともあり、史上最多の43人(全議員中の9.0%)が当選した。09年総選挙では民主党が自民党大物現職の選挙区に女性候補を積極的に立てる戦術を取ったこともあり、女性当選者数が54人(全議員中の11.3%)に達し過去最高を更新した。