2014年12月2日公示、14日投票で第47回衆議院議員総選挙が実施された。GDP成長率が2期連続マイナスとなるなどの景気低迷を受け、安倍晋三首相は消費税率の10%への引き上げを1年半先送りすることを決定。この方針について「国民に信を問う」ためとして11月21日に衆議院を解散した。公示日には、小選挙区295議席に対し959人、比例区180議席に対し11の政党・団体の841人(うち重複立候補者609人)の計1191人が立候補を届け出た。想定外の解散のため、立候補者数は野党が分立した前回選挙よりも313人減少した。政府の経済運営、集団的自衛権の是非、原発政策など、さまざまな争点がメディアで提示されたが、準備不足の野党側は有効な対立軸を示せず、全体としては安倍政権への信任を問う選挙戦となった。共産党以外の野党各党は、民主党と維新の党を中心に多数の選挙区で候補の一本化を行うことで与党に対抗した。しかし、選挙前に元議員の引退、有力候補の出馬撤回が相次ぎ、なし崩し的に一本化された選挙区、非共産野党候補が1人も出馬しない選挙区も目立った。投開票の結果、自民党は290議席(公示前293議席。なお、選挙結果は追加公認を含まない選挙当日の数字を示す。また、公示前議席数は朝日新聞報道による。)、公明党は35議席(同31)を獲得し、前回に引き続き自公で3分の2を超えた。また、民主党は海江田万里代表が落選するものの、「第三極」の衰えや野党間のすみ分けの奏功により、73議席(同62)の第2党となり復調気配が見られた。維新の党が公示前から1減の41議席を確保した一方、分党した次世代の党は公示前から17議席減の2議席と壊滅的な敗北となった。公示前に8議席だった共産党は21議席と大幅に議席を伸ばした。普天間飛行場の辺野古沖移設問題で揺れる沖縄では、共産党を含む野党各党が共闘することにより4選挙区で全勝し、本土とは異なる結果となった。投票率は前回より約6.7ポイント減り、戦後最低の52.66%(小選挙区)であった。期日前投票は速報値で1315万1976人(全有権者の12.62%)であった。