職務とは行政組織を構成する職員(職位)が分担する仕事(公務)をいい、権限とはその仕事を遂行するために与えられている職権(決定・命令などの行動を行う権利ないし権力)をいう。職務権限は各府省ごとに文書管理(処理・取り扱い)、規則(規程)などによって定められている。職務権限は行政組織の上に行くほどより大きく、より抽象的になる。わが国では大部屋主義(→「大部屋執務」)という独特の組織形態をとっていることもあって各職員(職位)の職務権限が明細には定まっていないため、実際の行動と職務権限との関係があいまいになりやすく、職務責任の確定がむずかしい。