2004年の通常国会における年金制度改革の審議を通じ、国民年金の未納率が増え続け、保険料を給付以外の使途に安易に使い、年金相談の体制が不備なうえ、記録管理がずさんで個人情報の漏えいが疑われるなど、社会保険庁のあり方自体が問題化した。「社会保険庁の在り方に関する有識者会議」(内閣官房長官の私的懇談会)の報告などにより、06年の通常国会に、社会保険庁を廃止して、厚生労働省の特別の機関である「ねんきん事業機構」を設立するとともに業務改革を推進する社会保険庁改革2法案が提出されたが、審議未了で廃案。新たな改革関連法案が07年6月30日に可決され、政府管掌健康保険の実施主体を社会保険庁から分離し、08年10月に「全国健康保険協会」(中小企業で働く被用者を対象に健康保険事業を担う公法人)を、また10年1月には社会保険庁を廃止し「日本年金機構」という新しい公法人を設立するとした。年金記録問題が続く中、07年8月、政府・与党合意に基づく適正化実施工程表も発表され、年金業務・社会保険庁監視等委員会、年金記録問題検証委員会、年金記録確認第三者委員会、年金業務・組織再生会議といった会議が設けられた。