2011年6月3日、菅直人内閣(当時)で閣議決定され、第177国会に提出。改革の方針は、時代の変化に対応して、国民のニーズに合致した、効率的で質の高い行政サービスを実現し、縦割り行政や天下りの弊害を除去するとともに、公務員がやりがいを持って存分に能力を発揮できる環境をつくるため、公務員制度の全般的かつ抜本的な改革を推進すること。
4法案は、(1)国家公務員法等の一部を改正する法律案(国家公務員制度改革基本法に基づき内閣による人事管理機能の強化等を図るため、幹部人事の一元管理等に係る所要の措置を講ずる。国家公務員の退職管理の一層の適正化を図るため、再就職等規制違反行為の監視機能を強化する等の措置を講ずる。自律的労使関係制度の措置等に伴う人事院及び人事院勧告制度の廃止、人事行政の公正の確保を図るための人事公正委員会の設置等の所要の措置を講ずる)、(2)国家公務員の労働関係に関する法律案(自律的労使関係制度を措置するため、非現業国家公務員の労働基本権を拡大し、団体交渉の対象事項、当事者及び手続き、団体協約の効力、不当労働行為事件の審査、あっせん、調停及び仲裁等について定める)、(3)公務員庁設置法案(国家公務員の任免、勤務条件等に関する制度並びに団体交渉及び団体協約に関する事務その他の国家公務員の人事行政に関する事務等を担う公務員庁を設置)、(4)国家公務員法等の一部を改正する法律等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案(上記3法案の施行に伴う関係法律の規定の整備等)。
いずれも第178国会、第179国会(11年12月9日閉会)と継続審査。12年の第180通常国会でも、野田佳彦総理(当時)が自らの政治生命をかけるとした「社会保障と税の一体改革」関連法案が優先され、重要法案として位置づけられていた「国家公務員制度改革関連4法案」は、12年8月31日に衆議院内閣委員会での提案・趣旨説明、9月5日に質疑が行われたが継続審査となった。
自公が政権復帰を遂げた後、政府は13年10月、各省庁の幹部人事を一元管理する「内閣人事局」設置を柱とする国家公務員制度改革関連法案骨子の修正案を自民党行政改革推進本部に提示し了承された。この法案は衆院内閣委員会での審議が始まったが、省庁の事務次官廃止や国家公務員への労働基本権付与などを盛り込んだ対案を共同提出していた民主党、日本維新の会、みんなの党と修正合意できず、参議院内閣委員会は民主党が委員長ポストを押さえていたため、衆院を通過させても参院の審議が難航する恐れが強く、13年12月6日までの会期中の成立は困難と判断した。14年春に内閣人事局を設置する方針は変えず、法案は衆院で継続審議とし、通常国会での早期成立を目指すとしている。(→「内閣人事局の設置」)