省庁の幹部公務員人事を一元管理する「内閣人事局」設置を柱とする国家公務員制度改革関連法案をめぐる自民、公明、民主3党の修正協議が2013年12月2日に大筋合意に達した。同法案は、給与ランク別の定数(級別定数)の設定・改定など人事院の機能を内閣人事局に移管するとしていたが、「人事院が担ってきた労働基本権制約の代償機能を損なう」などと批判が出ていた。このため、政府はこれに配慮し、級別定数の調整に際しては「人事院の意見を尊重する」ことを法案骨子に明記した。内閣人事局は、局長を官房副長官が兼ね、府省の部長・審議官級以上約600人の公務員人事を首相官邸が事実上一元管理する。閣僚を補佐する「大臣補佐官」新設に関しては、「政務ポストの肥大化につながる」との批判を踏まえ、内閣府は「6人以内」、復興庁と各省は「1人以内」と定数を定め、「特に必要がある場合には置くことができる」と の規定も設けている。大臣補佐官は、政治主導を強めるため各府省に置く政務官級の新ポスト。内閣が任命する仕組みで、国会議員のほか、官僚OBを含む民間人も起用できる。法案の骨格に変更はなく、労働条件を労使で決める団体協約締結権付与について、「自律的労使関係を措置する」とした08年の国家公務員制度改革基本法に即した結論を得るよう、政府に求める付帯決議を採択する。必要な修正を行うため法案は13年の臨時国会では継続審議とし、14年の通常国会での成立を目指す。法案が成立すれば内閣人事局は同年5月の大型連休後にも設置される見通し。修正合意では、このほか65歳への年金受給開始年齢引き上げに伴う雇用継続に向けた措置を取ることなどが盛り込まれる。(→「国家公務員制度改革関連4法案」)