地方交付税は、国の一般会計から一度地方交付税・譲与税特別会計(交付税特会)に繰り出されてから、各自治体に配分される。2006年度の場合を例にすると、国税5税(所得税、法人税、酒税、たばこ税、消費税)の一定割合である交付税の総額は12兆5267億円で、これに1兆2158億円の交付税の増額をし、それでもなお減税影響で1兆2300億円の不足が見込まれたため、交付税特会が短期金融市場から(従来は資金運用部からであった)借入金をして15兆9073億円の交付税を確保することとされた。これは前年度に比べて9906億円の減である。このような借入金政策の結果、地方の借入金(地方債残高、公営企業債の普通会計負担分、交付税特会の借入金残高の合計)の残高は12年度末で200兆4900億円に上る。うち交付税特会借入金残高は33.4兆円(地方負担分)。なお、07年度から新規の交付税特会による借入金は廃止され、財源不足分は臨時財政対策加算(国の一般会計負担)と臨時財政対策債と折半することを原則とするようになっている。というのは、交付税特会の借入金は、地方自治体からは見えにくく、借金をしているという感覚を持ちにくいため、地方自治体の財政規律に問題があると指摘されていたからである。