東日本大震災当日の2011年3月11日に、首都圏で515万人もの帰宅困難者が発生し大混乱をきたしたことを受け、東京都港区が同年10月に全国初の帰宅困難者対策として、大規模災害が起きた際の区や事業所の対応などを定めた防災対策基本条例を可決した。条例では、事業者に対しては、「災害時に従業員の一斉帰宅の抑制」「帰宅困難者の受け入れ」「そのために必要な水や食料を備蓄」などを求め、区内に220ある高層マンションに対しては、エレベーターの緊急停止などの防災設計や避難に必要な用具の準備を求めている。また、東京都では12年3月議会で帰宅困難者対策条例案を提出。条例は「むやみに移動しない」を原則に、帰宅しないで難を逃れる方法として、企業に従業員が3日間はしのげる水や食料、毛布の備蓄などを努力義務として求めている。(→「帰宅困難者対策条例」)