原子力発電所等の周辺地域の振興および地元の福祉向上を図ることを目的に、国の電源立地地域対策交付金制度に基づいて交付される給付金。電気料金を原資として原子力関連施設の立地自治体やその周辺自治体の住民・企業の電気料金を事実上割り引くという名目で、直接現金を支給する。原発近くで暮らす住民世帯に配られる迷惑料という性質をもつ。1979年に起きたアメリカのスリーマイル島原発事故に立地住民の危機意識が高まって反対運動に発展したのを受け、81年に日本で設けられた。1件当たり年間2000円から最高3万6000円支払われる。家庭向けの対象は103万件だが、2011年3月の東京電力福島第一原子力発電所事故後、この受け取りを「買収」として辞退する者が急増、13都県で171件にのぼった。