日本の政府開発援助についての基本方針を定めた文書。もともとのODA(政府開発援助)大綱は、1992年6月30日に閣議決定されたものだが、2003年8月に改定された。内外の国際情勢の変化や日本の財政事情などの変化から、国民のODAに対する見方が厳しくなっていたことが、改定の背景にある。厳しい財政事情のなかで、ODAが本当に日本の国益にかなって効率的に使われているのかなど疑問が強くなった。また発展途上国を取り囲む国際情勢も変化し、平和構築などの面においてもODAの役割が注目されるようになってきていた。これらのさまざまな新情勢を受け、日本のODA政策の目的を「我が国の安全と繁栄の確保」と明示したうえで、これまでの原則に加え、「グッド・ガバナンス」や「人間の安全保障」などの新たな視点を盛り込んだものとなった。