1998年11月の小渕恵三首相のロシア訪問に際して合意された「日ロ間の創造的パートナーシップ構築に関するモスクワ宣言」。日ロ関係は、橋本龍太郎政権の時代に重要な進展をみせた。「2000年までに平和条約を締結するよう全力を尽くす」との1997年11月クラスノヤルスク合意を受けて、98年4月にはエリツィン大統領が訪日し、静岡県の川奈で会談を行った。その際、日本側は北方領土問題を「国境線画定」という形で解決させたいと提案したといわれるが、これに対するロシア側の対案が、小渕首相のロシア訪問に際して提示された。その内容は、北方領土をロシアの法的統治のもと「日ロ共同管理」にするというものだといわれる。モスクワ宣言では、日ロ双方の提案を受け、「国境画定委員会」と「共同経済活動委員会」という二つの委員会の設置が合意された。(→「国境線画定提案」)