戦後日米関係の「密約」について、民主党政権は解明に乗り出し、2010年3月に有識者委員会が報告書をまとめた。それによると、「密約」とは両国間に合意がありながら国民に知らされておらず、重要な内容をもつものである。具体的には、(1)1960年の日米安全保障条約改定時の核兵器の「持ち込み」問題、(2)朝鮮半島有事の対処、(3)72年の沖縄返還時の核兵器の「持ち込み」問題、(4)沖縄返還時の原状回復補償費400万ドルの肩代わり問題が検討された。有識者委員会は、「密約」を合意文書の有無によって「狭義の密約」と「広義の密約」に分類し、(1)と(4)は「広義の密約」に該当すると結論付けた。外務省の今後の文書管理や文書公開のあり方が、問われている。(→「日米核密約問題」)