2010年9月7日に、沖縄県尖閣諸島で不法操業中だった中国漁船に対して、海上保安庁の巡視船が退去を求めたところ、中国漁船が巡視船に追突し、巡視船2隻を破損した。このため、海上保安庁は中国漁船の船長を公務執行妨害で逮捕した。尖閣諸島を自国の領土と主張する中国政府は、これに強く反発して、日本に外交上・経済上の圧力を重ねた。このため、検察当局は「日中関係を考慮して」逮捕した船長を処分保留で釈放した。中国の対外強硬姿勢と日本政府の弱腰の対応が、世界的な注目を浴びた。また、日本の領域警備の強化についても、議論が高まった。11月1日に、事件に関する動画が海上保安庁職員によって流出され、政府の情報管理能力と責任も、改めて問われることになった。