2006年にシンガポールとブルネイ、チリ、ニュージーランドが結んだ経済連携協定に端を発する。10年11月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議(横浜)でアメリカが主導権を発揮し、翌11年のAPEC首脳会議(ハワイ)で大枠合意に至った。ただし、最終妥結は12年に先延ばしされた。加盟が予定されているのは、上述の他にオーストラリア、ベトナム、マレーシア、ペルーで、カナダは参加を表明したものの、酪農などの市場開放が不十分として参加を拒否された。加盟国間の経済制度を調整し、関税撤廃をめざす。日本は11年3月11日の東日本大震災や政治の混乱から対応が遅れたが、同年11月のAPEC出席に先立って、野田佳彦首相が交渉参加を表明した。しかしなお、国内では賛否両論が鋭く対立している。自民党内での慎重論は根強かったが、12年12月に発足した安倍晋三内閣は、13年2月の日米首脳会談を経て、3月15日に交渉参加を正式表明した。