自衛隊の災害派遣には、自衛隊法第83条による都道府県知事などの要請を受けたものと、1995年の阪神・淡路大震災後に修正された「防衛省防災業務計画」に基づく自主派遣とがある。陸上自衛隊は災害派遣に即応できる部隊として全国に人員、車両、ヘリコプターを指定しており、海上自衛隊も応急的に出動できる艦艇を基地ごとに指定し、航空自衛隊は航空機の待機態勢を整備している。過去最大規模の派遣は、2004年10月に発生した新潟県中越地震に対するものであった。また、04年末のインド洋津波災害緊急派遣、05年10~12月のパキスタン大地震や06年6月のインドネシア・ジャワ島中部地震、10年のハイチ、パキスタンへの国際緊急援助活動のように、その活動は国際的な広がりを見せつつある。さらに、11年3月11日の東日本大震災に際しては、ピーク時に10万7000人もの自衛隊が救援活動に赴き、9000体以上の遺体回収に当たるなどした(1995年の阪神・淡路大震災の際の自衛隊の出動人数はピーク時に約2万人であった)。(→「自衛隊の海外派遣」)