政府は2003年6月20日の閣議で、国連平和維持活動(PKO)に参加している陸上自衛隊の活動期間を、同年8月から1年間延長すると決めた。防衛庁(当時)は02年2月、国際平和協力法に基づく第1次東ティモール派遣施設群を派遣。主要道路や橋、給水所などの補修、維持、管理、民生支援業務に当たり、治安担当の韓国軍歩兵大隊と協力して任務を遂行。国連東ティモール支援団(UNMISET)軍事部門の司令部にも10人が派遣された。機関銃10丁、小銃568丁、拳銃102丁を携行。直前の01年12月には、国連平和維持軍(PKF)本体業務の凍結解除を含む改正国際平和協力法が成立、初めてのPKO完全参加となった。福田康夫官房長官の私的諮問機関「国際平和協力懇談会」は02年12月、(1)国連決議による多国籍部隊への自衛隊の後方支援活動参加を可能にする新法を整備、(2)PKO5原則を満たさなくても自衛隊が参加できるようPKO協力法を改正、(3)PKOを自衛隊の本来任務とする、などを柱とする報告書をまとめた。自衛隊のPKO派遣はカンボジア(UNTAC)、モザンビーク(ONUMOZ)、中東ゴラン高原の国連兵力引き離し監視軍(UNDOF)、ルワンダ難民救援活動としてザイールなど、東ティモール避難民救援、アフガン難民救援、国連東ティモール支援団、イラク難民支援がある。また、イラク特措法による海外派遣がある。07年11月のテロ特措法の失効により、自衛隊の海外派遣に関する恒久法制定の必要性が改めて指摘されている。09年にはソマリア沖の海賊対策に、10年にはハイチとパキスタンの災害救助に自衛隊が派遣され、11年には南スーダンへの施設部隊の派遣が決まった。(→「自衛隊の災害派遣」)