2010年12月に閣議了承された「防衛計画の大綱」で提起された概念。「防衛力を単に保持することではなく、平素から情報収集、警戒監視、偵察活動を含む適時・適切な運用を行い、わが国の意思と高い防衛能力を示しておくこと」が目的で、機動性と即応性が重視されている。これにより、冷戦期に採用された基盤的防衛力構想(自衛隊の各部隊を全国に均衡配備し、力の空白に備えるもの)は放棄された。こうした政策の転換には、中国の台頭をはじめとする、アジア太平洋地域での安全保障環境の流動化・不安定化が前提になっている。(→「防衛計画の大綱改訂」)