「国際緊急援助隊の派遣に関する法律(JDR法)」(1987年9月施行)に基づく、人道危機や自然災害に見舞われた海外に対する日本政府の支援には、自衛隊によって担われるものがある。80年代末以降、日本政府は被災国政府または国際機関の要請に応じて国際緊急援助隊(JDR Team)を派遣し、捜索・救助活動、医療活動、および災害応急対策・災害復旧活動を行ってきた。JDR法が92年6月に改正された結果、この国際緊急援助活動に自衛隊が参加することが可能となった。初めて自衛隊が派遣されたのは98年11月のホンジュラス・ハリケーン災害に対する支援活動であり、以後2015年1月まで17件の活動実績がある(物資輸送を含む)。
国際緊急援助活動において、自衛隊は、(1)応急治療、防疫活動などの医療活動、(2)ヘリコプターなどによる物資、患者、要員などの輸送活動、(3)浄水装置を活用した給水活動、および自衛隊の輸送機・輸送艦などを活用した人員や機材の被災地までの輸送などを行う。近年の活動事例としては、13年11月のフィリピン台風災害に際しての医療活動および輸送活動や、14年3月に発生したマレーシア航空機消息不明事件での捜索活動などがある。(→「自衛隊の災害派遣」)