第1回の「国政に関する公聴会」(一日内閣)は1962年10月6日に岡山市で開催された。これは国民の声を聞き、国政に反映させるとともに、政府の施策を直接国民に伝えることを目的にしている。中国地方の応募者などから選ばれた15人の発言者と池田勇人首相はじめ各閣僚との間で質疑応答が行われた。これ以後、歴代内閣は一日内閣を随時開催してきたが、村山富市首相が94年9月に秋田県で行ったのが最後である。小泉内閣になり、竹中平蔵経済財政政策担当相の発案で、「国民との対話」のために内閣の構成員が内閣の政策について国民と意見を交換する「タウンミーティング」を実施。その第1回は2001年6月17日に青森県と鹿児島県で開催された。小泉内閣ではタウンミーティング(TM)は06年9月までに合計174回開催された。しかし、同年9月2日に青森県八戸市で開催された教育改革タウンミーティングで、政府に都合のいい質問をするよう出席者に依頼していたことが暴露された。これを機に、タウンミーティングの実態が明らかになり、政府側が質問内容を事前に示し発言を依頼する「やらせ質問」は教育改革や司法制度改革などを扱ったTMで計15回あり、やらせ質問を含めた発言の依頼は115回にのぼった。また、公募ではなく国が参加者を動員したケースが71回と約4割に達し、謝礼金(5000円)が25回、65人に対し支払われていたほか、タウンミーティングの1回の開催に1000万円もかかっていることが判明した。こうして、タウンミーティングは廃止されることになった。安倍内閣では、タウンミーティングに代わる政府の対話集会「政策ライブトーク~言いたい、聞きたい、これからの日本」を07年7月2日東京秋葉原で開催した。テーマは、インターネットで公募し、「地球温暖化対策に関する国民運動について」と定められ、若林正俊環境相が出席。会場は申し込みがあった164人分の座席が用意され、131人が参加した。そして、1回あたりの費用も約100万円に抑えられた。しかし、安倍内閣から福田内閣に交代したために「政策ライブトーク」も1回で終了した。福田内閣では、10月27日に、閣僚と国民が直接対話する「大臣と語る希望と安心の国づくり」という名前の国民との対話集会をさいたま市で開き、上川陽子少子化担当相が少子化をテーマに約100人の参加者と意見を交わした。これを皮切りに、第2回は横浜市で「信頼される学校づくり」というテーマで大臣と語る会が開催された。