イギリス内閣の首相官邸ポリシー・ユニットは、1974年に労働党のウィルソン首相(在職1974~76)によって創設された。一般的には、首相が政策的に各省に対抗できるようになるために必要な、専門的な知識や能力を首相が持つための助言機関のことをいう。ヒース首相(1970~74)はキャビネット・オフィスに中央政策レビュー・スタッフ(CPRS)を置いたが、サッチャー首相(1979~90)はそれを廃止して、首相官邸ポリシー・ユニットを作った。ユニットは官僚と民間から選ばれた助言者から構成された。CPRSが内閣に対して責任を持つのに対して、首相官邸ポリシー・ユニットは首相に対してだけ責任を持つところが異なる。ブレア政権(1997~2007)においてもサッチャーの方式が採用されて、多くのポリシー・ユニットが形成された。Social Exclusion UnitやPerformance and Innovation UnitやCentre for Management and Policy Studiesなどがそれで、また、サッチャー時代の首相官邸ポリシー・ユニットは首相官邸Policy Directorateに統合された。民主党が掲げていた国家戦略室のモデルとされる。