伊勢神宮は皇室の祖先である天照大神が祭られている。憲法で政教分離がうたわれていたこともあり、戦後の首相の伊勢神宮詣では途絶えていた。1955年1月5日に鳩山一郎首相が戦後首相として参拝したのが最初の事例であったが、その後もしばらくは途絶えていた。しかし、64年11月に首相に就任した佐藤栄作首相は、その直後に就任報告のために伊勢神宮参拝を企てたが、都合があわず、翌65年1月4日に参拝を果たした。その後、67年1月4日の参拝以後は、首相の年初の伊勢神宮参拝は民主党政権を含めて定着した(唯一の例外は95年で、当時の村山富一首相は伊勢参拝を行わなかった)。年初の参拝には首相は農林水産大臣らを伴うのが慣例となっている。1月4日の「仕事始め」の日に皇室の先祖を祭る伊勢神宮に初詣をして、その年の安寧を祈ることが参拝の趣旨である。民主党の代表も2003年1月の菅直人代表以後、伊勢神宮の参拝を行っており、野党となった自民党の谷垣禎一総裁も、政権交代後は毎年首相と同じ日に伊勢神宮を訪れていた。