アメリカとインドは2005年7月および06年3月の首脳会談を通じて、原子力協力に基本的に合意した。その後アメリカは06年12月に国内法を改正し、07年7月にアメリカとインドは協定に合意した。インドは22の原子力施設のうち14に国際原子力機関(IAEA)の保障措置を適用すること、核実験のモラトリアムを継続すること、カットオフ条約締結に努力すること、濃縮・再処理などの技術の輸出を自制することなどを約束した。08年8月にインドとIAEAとの保障措置協定がIAEAで承認され、同月に原子力供給国グループ(NSG)で、インドを例外扱いすることがコンセンサスで承認された。アメリカはインドの戦略的・地政学的な重要性、原子力発電その他の経済的利益などを重視し、インドは原子力によるエネルギー確保、事実上の核兵器国とみなされることに利益を見いだした。インドは核不拡散条約(NPT)に加入することなく、核実験を実施して核兵器を開発・保有している国であり、アメリカがこのような協力を行うことは、インドの核兵器保有を容認するものとなり、核不拡散体制を弱体化するとの批判がある。インドはフランスおよびロシアとも原子力協力協定を締結した。