2008年7月のラッド・オーストラリア首相と福田康夫首相(当時)との合意に基づき、日豪の共同イニシアチブとして立ち上げられた。目的は、2010年NPT(核不拡散条約)再検討会議に向けて、現実的かつ実際的で行動指向型の報告をまとめ、各国の政治指導者に働きかけ、実際の核軍縮を促すことである。共同議長はオーストラリアのエバンス元外務大臣と日本の川口順子元外務大臣が務め、15人の委員により構成された。そのため、「エバンス・川口委員会」とも呼ばれる。09年12月に発表された報告書「核の脅威の除去」によると、25年までに最少化地点として核弾頭を2000に削減し、先制不使用へコミットすること、その後時間的枠組みを伴わないが核廃絶に向かうことが提案されている。12年までには、米ロ核削減交渉の早期妥結といっそうの削減、核兵器の目的を核兵器使用の抑止のみに限定する宣言、NPT非核兵器国への消極的安全保証(NSA)の供与などが規定されている。