核不拡散条約(NPT)再検討会議は、2010年5月に4週間にわたり国連で開催され、最終文書の採択に合意し、将来の行動計画についてはコンセンサスが達成された。会議に向けてはオバマ大統領の「核兵器のない世界」の主張や、新START条約の署名などがあり、よい雰囲気の中で会議は進行し、イランの妨害がしばしば見られたものの、アメリカのリーダーシップとエジプトを中心とする非同盟諸国の協力で、会議は成功裏に終わった。核軍縮については22の行動計画に合意が見られ、包括的核実験禁止条約(CTBT)の発効や兵器用核分裂性物質生産禁止条約(カットオフ条約)の交渉など、2000年合意を再確認するものも多くあったが、核兵器禁止条約への言及や、核兵器使用の人道的側面の強調など新たな進展も見られ、また核兵器の削減および安全保障政策における核兵器の役割の低減が強調された。核兵器国は核軍縮に関してとった措置を14年に報告し、15年の再検討会議で議論し、次の措置を検討することになっている。