戦略攻撃兵器の削減を定める新START条約(新戦略兵器削減条約)が、2010年4月8日にアメリカのオバマ大統領とロシアのメドベージェフ大統領(当時)の間で署名された。この条約は、条約発効後7年間で、配備された運搬手段(ICBM、SLBM、重爆撃機)を700に、配備された運搬手段と配備されていない運搬手段の合計を800に、そして戦略攻撃兵器に搭載する弾頭の数を1550に削減することを規定している。運搬手段については1991年の戦略兵器削減条約(START)の50%以上の削減になり、弾頭については2002年の戦略攻撃力削減条約(モスクワ条約)の約30%削減になる。09年4月の米ロの最初の首脳会談で交渉の開始が合意され、約1年の交渉で署名にこぎつけ、11年2月5日に発効した。この条約は、モスクワ条約とは異なり、適切な検証措置を含んでおり、運搬手段をも規制の対象としている。12年9月1日現在の両国の保有数は、700の上限に対してアメリカ806、ロシア491、800の上限に対してアメリカ1034、ロシア884、1550の上限に対してアメリカ1722、ロシア1499となっており、ロシアが配備している運搬手段数および弾頭数は条約の規定をすでに下回っている。