アメリカの2010年以降、5年から10年の核軍縮政策を含む核政策全般に関する報告書である、核態勢見直し報告書がアメリカ国防総省から公表された。01年のブッシュ政権のものとは大きく異なり、核兵器のない世界を目標とし、核兵器の数と役割の低減を前面に押し出し、核軍縮への積極的な姿勢を示している。核兵器の使用については核不拡散条約(NPT)締約国でありNPTを遵守(じゅんしゅ)している非核兵器国には核兵器を使用しないこと、新たな核兵器を開発しないこと、新たな軍事ミッションを支持せず、新たな軍事能力も提供しないこと、包括的核実験禁止条約(CTBT)の上院での批准を追求し、その発効を追求すること、カットオフ条約(FMCT ; 兵器用核分裂性物質生産禁止条約)交渉を開始すること、ロシアとの核兵器削減交渉を継続することなどが規定されている。