国家の要件の一つで、基本は領土である。これに隣接する近海が古くから領海として国家の領域の一部とされ、20世紀に入り領土と領海の上空部分が領空として新たに領域に加えられた。領土には土の部分のほかに領土に囲まれ、領海の幅を測定する基準となる基線内の水の部分である内水(河川・湖沼・湾・内海)が含まれる。国家は領土に対して排他的な支配権・処分権をもち、これを領土(主)権または領域(主)権という。領土の限界は海に面している部分では基線でもある低潮線で、隣国と陸続きの場合は国境画定条約などの合意によって国境線が確定される。いかなる国の領土でもない無主地に対しては、領有意思と実効的支配を充足すれば取得を主張できる先占(せんせん)という権原がかつては認められ、ヨーロッパ諸国の植民地獲得の有効な手段とされたが、現在では無主地はほとんど残されていない。また日本の北方領土や尖閣諸島、竹島問題のように、多くの国が近隣国との間に領域紛争を抱えている。