地理学的には海岸から緩やかに続く水深200メートル程度までの浅瀬の海底で、急角度で落ち込む斜面の手前までを指し、陸地と同じ地質が続くため石油や天然ガスなどの地下資源が埋蔵される。1945年の米トルーマン宣言以後、沿岸国が天然資源に対する権利と管轄権を主張し始め、58年には大陸棚条約が成立した。条約は水深200メートルまたは開発可能な海底までを大陸棚と規定したが、その後の技術の進歩によりすべての海底が大陸棚とされる懸念が高まった。国連海洋法条約は排他的経済水域(EEZ)の導入により、海底の地形にかかわりなく一律200カイリまでの海底資源に対する沿岸国の主権的権利を認めたため、国際法上の大陸棚は地理的な定義よりも広いことが多い。地理的な大陸棚が200カイリを超えて続く場合は、国連大陸棚限界委員会に申請して認定を受け、そこから得られる収益の一部を途上国や内陸国に配分しなければならない。日本は数十兆円の資源が眠るとされる大陸棚について、2008年11月に同委員会に申請を提出した。