20世紀半ば以降、漁業資源への関心から多くの国が領海の外に漁業(専管)水域を設定し、第1次海洋法会議では漁業条約が成立した。1960年代には12カイリ以内の漁業水域は慣習法とされていたが、70年代に入ると50カイリや200カイリへの拡大主張が相次ぎ、特に途上国は世襲海域概念に基づき、天然資源に対する沿岸国の永久的主権(→「自決権」)を主張した。国連海洋法条約は領海でも公海でもない新たな海域として、200カイリ以内のEEZの制度を導入した。そこでは海底と上部水域における資源に対する沿岸国の主権的権利、他の経済活動に関する主権的権利が認められ、人工島などの構築物・科学調査・環境保全に関する管轄権を沿岸国がもつとされる。他方、航行や上空飛行については、公海同様の自由通航が許され、領海と公海の両方の性格を併せもつ海域といえよう。日本は96年の国連海洋法条約の批准後に国内法を制定してEEZを設け、その広さは世界で6番目といわれる。しかし中国・韓国との境界画定はいまだ合意を見ず、ガス田開発や海洋科学調査に関して問題が発生している。