15の国際連合(国連 UN)加盟国で構成。このうち、アメリカ、イギリス、フランス、ロシア、中国の5カ国(五大国、P5)は、常任理事国である。残りの10カ国は、2年の任期(再選不可)で総会によって選出される非常任理事国で、選挙に際しては、国連への貢献度と地理的配分が考慮される。安全保障理事会(安保理)の任務は、「国際の平和および安全の維持に関する主要な責任」(憲章24条)を果たすことである。安保理が行った決定は、全加盟国を拘束する(憲章25条)。安保理の決議は、手続き事項に関しては理事国15カ国のうち9カ国の賛成で成立する。実質事項に関する議決には、5常任理事国の賛成票を含む9カ国以上の賛成が必要である。すなわち、5常任理事国のうち1国でも反対票を投じた場合は、決議は否決される。これを五大国の拒否権(veto)という。ただし慣行で、棄権や欠席は拒否権の行使とは見なされない。また、ある事柄が手続き事項であるかどうかの決定は実質事項であるとされ、その決定も拒否権行使の対象となる(二重拒否権)。拒否権には、大国支配という否定的な面と同時に、実効性を欠いた安易な決議を防止するという肯定的な側面もある。拒否権は、加盟国の意思次第でその活動が大きく左右される国連の特質を象徴する。安保理の拡大を目指す安保理改革は、一連の国連改革の要とされるが、諸国間の利害や見解の対立が激しく、当面、前進する見通しにない。