1950年に国連総会によって設立された国際連合(国連 UN)の自立的補助機関で、51年から活動を開始した。本部ジュネーブ。現在の高等弁務官は、アントニオ・グテーレス(ポルトガル)。高等弁務官の主な任務は、人種、宗教、政治的意見などを理由とする迫害を逃れるため自国外にいる難民に国際的保護を与え、難民の安全かつ自発的な帰還、または定住先の社会への統合、または第三国への定住を容易にするための援助を行うことである。冷戦後、国内紛争や自然災害などによって難民化する人々の数は著しく増加した。UNHCRは、難民や国内避難民(IDPs)などUNHCRがかかわる人々の数は4370万人で過去15年で最多となったと発表した(2011年6月)。なお、UNHCRが進めている第三国定住の一環として、08年12月、日本政府はタイにある難民キャンプから、向こう3年間、毎年およそ30人ずつ、ミャンマー(カレン族)難民を第三国定住難民として受け入れるアジア初のパイロット計画を10年度から行うことを決め、現在実施中である。パレスチナ難民については、別途国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)が対応している。