2007年7月の安全保障理事会(安保理)決議1769によって設置された、国際連合(国連 UN)とアフリカ連合(AU)の合同ミッション。主な職務権限は、住民の保護、人道支援活動の安全確保、関係協定の履行監視、民主的プロセスの確立支援、人権擁護および法の支配の促進、チャドおよび中央アフリカとの間の国境の監視などである。03年、スーダン西部のダルフールにおいて、政府軍と反乱武装組織との間に戦闘が開始され、国連の推計では約20万人が犠牲となり、約200万人が難民ないし国内避難民となった。以来国連はダルフール危機に対して解決の道を模索してきた。06年には国連の支援のもとにAUが中心になってダルフール和平協定が調印された。それに先立ち04年に、AUがAUスーダンミッション(AMIS)をスーダンに派遣したものの思わしい成果はあがらず、UNAMIDに取って代わられた。UNAMIDは国連と地域的機関が合同で実施した平和活動の初めての試みであり、現在展開されている平和維持ミッションのなかでも最大級のものである。