前線は、敵対する二つの地上戦闘部隊が接触・対峙する線のこと。戦線ともいう。彼我とも、この線を挟んで、その前方では偵察部隊、襲撃部隊等が行動し、後方では主力戦闘部隊が展開する。後方地域とは、主力戦闘部隊の後方で、司令部施設、予備隊、兵站部隊・施設等が展開する地域。後方地域の敵部隊・施設に関する情報が入手できず、火力の射程も短い時代には、前線周辺での戦闘が重視された。しかし、軍事革命(RMA)によって(1)後方地域に関する情報の入手が可能になり、(2)火力の射程が延び、精度が高くなり、(3)ヘリボーン攻撃部隊や特殊行動部隊等の戦闘力が増大すると、脆弱な後方地域が重点的に攻撃されるようになる。したがって、前線周辺の戦闘は低調となり、前線と後方地域の区分は消滅するといわれる。