6者協議(6カ国協議)再開に向けて2011年に展開されたアメリカと北朝鮮との直接交渉。09年以降、6者協議は北朝鮮の通告で中断状況が続いたが、11年に入り6者協議再開に向けた動きが見られた。北朝鮮は米朝直接対話を実現するために6者協議の再開に積極的な姿勢を示し始める。核開発を継続しながらも、6者協議を再開しない限り北朝鮮に必要な見返りを獲得することが困難だと判断したためだ。アメリカは中国との事前協議のうえ、6者協議再開の手順として、南北対話とそれに続く米朝対話を要求した。その結果、7月バリ島での南北6カ国協議首席代表会談が実現した。そして、7月ニューヨークと、10月ジュネーブで、2度にわたる米朝対話が、ボズワース北朝鮮担当特別代表と金桂寛(キム・ゲグァン)第1次外務次官との間で行われた。しかし、6者協議再開に向けた一定の進展が見られたと相互に評価したものの、6者協議再開の前提条件としてウラン濃縮の即時停止を求めるアメリカと、6者協議を再開したうえで協議をしようという北朝鮮との間でせめぎ合いが続いた。金正恩体制下、12年2月23~24日北京でデービース北朝鮮担当特別代表と金桂寛との間で米朝対話が行われた。その結果、同月29日、北朝鮮がウラン濃縮の一時凍結、IAEA(国際原子力機関)による査察、核実験とミサイル発射の凍結を約束し、アメリカが24万トンの栄養補助食品を提供することに合意し、6者協議再開に向けて一歩前進した。