今日台湾に存在している主な政党は、国民党、親民党、新党、民進党、台湾団結連盟の五つである。国民党は1912年の中華民国成立の中核となった政党で、孫文、蒋介石を総統とした中国正統派の政党であった。蒋介石は国共内戦敗北後台湾に渡り、「大陸反攻」「三民主義による祖国統一」を掲げ続けた。その後、70年代初頭、国連からの中華民国の脱退、米中・日中接近などの波を受け、蒋介石を引き継いだ蒋経国総統は国民党の台湾化と民主化は中華民国の生き残りに不可欠と判断した。政権の中枢に本省人(→「台湾アイデンティティー」)の李登輝を副総統として取り込み、また87年の「党禁」解除に踏み切った。88年蒋経国の死により李登輝が総統に就任し、中華民国の台湾化、民主体制化と同時に、国民党の台湾化を進めていった。李登輝時代は野党民進党の躍進は目立ってはいても、国民党の力は圧倒的で、安定した政権政党であった。しかし徐々に独立性を強める李登輝に反発して、まず96年初の総統直接選挙のとき中国との統一を重視するグループが国民党を離党し新党を結成。さらに2度目の総統選挙では李登輝に反発する宋楚瑜元国民党秘書長グループが親民党を結成した。こうした中で、二度の総統選挙に敗れた国民党の連戦党主席が引退し、2005年8月、若手でスター性のある馬英九台北市長が党主席に就任した。同年12月の統一地方選挙で国民党は民進党に圧勝。さらに08年1月の立法院選挙でも大勝したのに続き、3月の総統選で馬英九が勝利。8年ぶりに国民党が政権に返り咲くことになった。(→「馬英九政権」)