主権と領土保全の尊重、内政不干渉、紛争の平和的解決などを規定した東南アジア諸国連合(ASEAN)の基本条約で、1976年の第1回首脳会議で加盟5カ国が調印した。その後、東南アジアの10カ国すべてが調印した。87年の議定書改定でASEAN以外の国の加盟にも道を開き、ASEAN地域フォーラム(ARF)などASEANと域外諸国との信頼醸成外交の機軸となった。域外調印国はASEANオブザーバーの地位が与えられる。ASEANは周辺の大国に積極的に加盟をよびかけ、中国とインドは2003年のASEAN首脳会議で調印。日本はASEANからの積極的働きかけに対して、アメリカとの同盟関係に支障が出ることを恐れて消極的姿勢を示し失望を買ってきたが、04年12月のASEANとの特別首脳会議で調印に踏みきった。07年にフランス、東ティモール、スリランカ、バングラデシュ、08年には北朝鮮が調印した。アメリカはオバマ政権の「アジア復帰」戦略を受けて、09年7月にやっと調印。加入国は域外国を含めて26カ国になった。