世界の先住民族問題の解決のために1994年に設立された。93年のノーベル平和賞受賞者であるグアテマラのマヤ系民族キチェ族の女性リゴベルタ・メンチュー・トゥムを代表とし、世界各地の先住民運動指導者により構成される。先住民族の人権擁護と尊厳の確立のためにそれぞれの国や国際機関に働きかけを行う。その成果として、国連は8月9日を「世界先住民国際デー」に指定するとともに、94年12月末日から2004年12月末日までを「世界先住民族国際10カ年」とすることを宣言した。その後、05年1月1日から「第2次世界先住民族国際10カ年」が始まっている。この間、00年には国連経済社会理事会のもとに国連初の先住民問題専門機関「先住民常設フォーラム」が設置された。なお、07年9月には国連総会において「先住民族の権利宣言」が採択されている。宣言には世界で3億7000万人に上る先住民の自決権や自治権、伝統的に占有してきた土地や資源の所有権など、先住民の権利を保護することがうたわれている。この決議に際しては、国内に多くの先住民を抱えるアメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドが反対した。コロンビア、ロシア連邦などは棄権、日本は賛成した。