広域市場の形成により自立的工業発展を実現することを目指し、まず1960年にラテンアメリカ自由貿易連合(LAFTA、80年にラテンアメリカ統合連合〈ALADI〉に改組)が、その後、61年に中米共同市場(93年に中米統合機構〈SICA〉に改組)、68年にカリブ自由貿易連合(73年にカリブ共同体〈CARICOM〉に改組)、69年にアンデス・グループ(97年にアンデス共同体〈CAN〉に改組)が成立した。だが、アメリカの圧倒的経済力を前に成果は限定された。しかし、アメリカ主導の米州自由貿易圏(FTAA)構想に対抗して、20世紀末からラテンアメリカ諸国自身のイニシアチブによる経済統合の動きが高まった。その結果、95年にはブラジル、アルゼンチン、ウルグアイ、パラグアイの4カ国が南米南部共同市場(メルコスル MERCOSUR スペイン、MERCOSUL ポルトガル)を設立した。2006年にはベネズエラも正式加盟のための議定書に署名している(アルゼンチン、ウルグアイ、ブラジルは批准。パラグアイは11年末現在、国会で審議中。上院の反対が強い)。準加盟国はコロンビア、エクアドル、ペルー、ボリビア(正式加盟を表明)、チリの5カ国。これと並行して、アンデス共同体、カリブ共同体など既存の経済統合組織も再活性化している。このほか、04年には経済発展だけではなく、社会問題解決のための協力を目指すものとして米州ボリバル代替機構(ALBA。現「米州ボリバル同盟」)が成立している。