1964年に成立したコロンビア最大のゲリラ組織。活動地域は主として同国の南部と東部。このほかに反政府ゲリラ組織としては民族解放軍(ELN ; Ejrcito de Liberacin Nacional スペイン)がある。コロンビアでは20世紀初頭から保守党と自由党の対立が続き、48年4月に自由党左派指導者のガイタンが暗殺されたのを機に市民蜂起(ボゴタソ)が起きた。その後も自由党の抵抗が続いたため、内戦状態となった(ビオレンシアの時代)。FARCやELNはこれらの武装勢力をベースとして形成された。政府軍・ゲリラ間の内戦が長期化するとともに、パラミリとよばれる地主や企業の自警団が急拡大し、2002年にはコロンビア自警団連合(AUC ; Autodefensas Unidas de Colombia スペイン)も成立した。(メンバーは元軍人など約8000人)。FARCの勢力は10年ほど前にはおよそ2万人に達していたが、現在では9000人程度に半減している。それとともに和平の機運も高まり、FARCに影響力をもつベネズエラのチャベス政権はゲリラ側に武装路線の放棄を提案した。コロンビア政府も、ウリベ前政権までは強硬姿勢を崩さなかったが、右派の民族統一社会党(通称U党)のエドゥアルド・サントス現政権(10年8月成立)は条件付き和平を打ち出している。ただし、対米関係や経済政策については前政権の政策を踏襲している。なお、08年3月にはコロンビア軍がエクアドルに越境してFARCの拠点を攻撃、FARCのナンバー2といわれるラウル・レジェスのほか、メキシコ人学生、エクアドル人など20人を殺害した。これを機にベネズエラとエクアドルはコロンビアとの外交関係を断絶したが、サントス大統領就任直後に復交した。