1979年7月に33年間続いたソモサ一族による独裁支配を倒したサンディニスタ民族解放戦線(FSLN ; el Frente Sandinista de Liberacin Nacional スペイン)による革命。「サンディニスタ」とは1920年代から30年代にかけてアメリカの占領に反対し、土地改革等の社会経済改革を掲げて闘った民族主義者アウグスト・セサル・サンディーノに由来する。FSLNはカルロス・フォンセーカにより63年に創立された。社会主義を唱えたが、国有部門と民間部門の協調的経済発展、非同盟主義、政党活動の自由を認める複数主義をとった。また解放の神学の影響を受けた多くのカトリック信徒が革命を支持したことから「新しい社会主義」として世界的注目を浴びた。しかし、当時のレーガン米大統領はソ連とキューバによる革命の輸出であるとみなし、封じ込め政策をとるとともに、コントラ(反革命派=contrarrevolucionario スペイン)と呼ばれる旧ソモサ派を軍事支援したため、内戦となった。このため、反独裁革命時代の内戦による国土の疲弊と経済情勢の悪化に追い打ちがかかり、国民生活は極度に悪化、90年の選挙でダニエル・オルテガ大統領は反政府連合UNOのビオレタ・バリオス・デ・チャモロに敗れ、革命は10年で終焉した。