2014年3月3日、ウクライナ危機に伴い招集された欧州連合(EU)緊急外相理事会に際し、イギリス・ドイツ・フランス・イタリアの外相はG8首脳会合(サミット)の開催を中止すると表明。ロシアを除くその他のG8参加国もこれに同調し、同月24日、ハーグで緊急招集されたG7首脳会合では「意味のある議論を行う環境に戻るまで」ロシアのG8への参加を停止することを決定した。これにより、同年6月にロシアのソチで開催されるはずだったG8首脳会合は見送られ、ロシアを除くG7首脳会合がブリュッセルで行われた。この措置に対し、ロシアは「G8は非公式なクラブ」(ラブロフ外相)とし、参加停止の影響は少ないことを強調。イラン核開発問題や中東情勢などでG7諸国と適宜協議を進めるとともに、G20など新興国を含めた枠組みを重視する姿勢を示している。その後の15年ドイツのエルマウ首脳会合、16年日本の伊勢志摩首脳会合でもロシアの参加停止が続いている。ウクライナ危機に関しては、同国への支援と、ロシアに対し外交的解決を呼びかける方向でG7は一致している。その一方で、エネルギー問題や領土問題で独自の利害関係を持つドイツや日本は、個別にプーチン大統領と首脳会談を行うなど、必ずしもG7諸国が対ロシア政策で足並みをそろえているとは言えない。16年に入り、ガブリエル経済相やシュタインマイヤー外相といったドイツの閣僚から、ウクライナ東部とシリアの停戦交渉で著しい進展があった場合との条件付きでロシアのG8復帰の可能性について言及がなされている(→「対ロシア制裁(2014年以降)」)。