2006年11月28、29日にラトビアの首都リガで開催された北大西洋条約機構(NATO)の首脳会議。首脳会議のとりまとめ文書であるリガ宣言では、改めて、NATOが集団防衛力を維持しつつ21世紀の安全保障上のチャレンジに対応し、加盟国の国民と共通の価値を守るとの決意が宣言された。なかでも優先課題とされたのは、アフガニスタンの平和と安定への貢献である。また加盟国の能力の向上が引き続き重要であるとして、そのための「包括的政治指針」を承認した。しかし、実際にはタリバン勢力の再活性化を背景に、アフガニスタンへの増派や地域分担をめぐって、加盟国内の意見対立はむしろ激化した。他方で、宣言は欧州大西洋パートナーシップ評議会(EAPC)などに参加するパートナー国との協力や、日本を含むコンタクト諸国との関係強化を唱えている。今後のNATO拡大については08年のNATOブカレスト首脳会議で新たな加盟招請を行うことで合意した。