2008年4月にルーマニアの首都ブカレストで開催された北大西洋条約機構(NATO)の首脳会議。懸案事項はアフガニスタンとNATO拡大問題であった。アフガニスタンに関しては「国際治安支援部隊(ISAF)の戦略ビジョン」という宣言を採択した。宣言はアフガニスタン政府と国民を支援する決意を再確認するとして、次のような4つの原則を示した。(1)NATOは長期にわたって共同で関与する、(2)アフガニスタン指導部を強化する、(3)安全の確保と開発、軍と民間(NGO等)の協力といった包括的アプローチをとるための調整力を高める、(4)隣国(特にパキスタン)や地域との関係を強化する。また、加盟国拡大に関しては、候補3国のうち、国名問題でギリシャとの対立が解けなかったマケドニアが見送られ、アルバニアとクロアチアの加盟招請が決定された。問題は旧ソ連のウクライナとグルジアの加盟候補国への格上げであったが、これもロシア配慮の慎重論がまさり、見送られている。